さて、次回までの話を要約してみよう。 おっす、俺リヴァル。 中身は普通の日本人で男子高校生。 最近、ニュースでゼロの事とか騒がしいけど直接俺に害はないからそんなテロリストいるんだなぁ状態だ。 そんなことよりも、うちのクラスに転校生がやってきた。 そう、皇族殺しの罪状があった枢木スザクだ。 彼自身はクロヴィス殿下を殺害していない。殺したのはゼロというテロリストだそうだ。 そんな彼がうちの学校に来たわけだ。 スザクは名誉ブリタニア人ということで周りから白い目で見られている。 やっていなくても、罪状があったことや名誉ブリタニア人であることが理由なのだろう。 君子危うきに近寄らずを学校中で地でやってるかと思いきや、一部の人間はスザクに対するイジメを行なっているらしい。 直接見たわけではないが、これだけの要素があってイジメがはじまらないほうが可笑しいといったら少し変だろうか。 そんなこんなで今、猫を追っかけてます。 見ててください会長!! 「そうなんです、猫に大事なものを取られたみたいで」 どこか困惑気味にいうナナリー。 そりゃそうだ。猫に大事なものを取られるルルーシュってかなり間抜けてるだろう。 それに、猫が取れる大事なものってなんだろ。 大真面目に俺が考えていると会長がナナリーに来ていた。 「大事なものって?」 「良く分からないんですけど、でも、とっても大事なものに違いないんです。 だって、お兄様のあんな素っ頓狂な声初めて聞きましたもの」 「なんだろう、ルルーシュの大事な物って」 結構真剣に気になる。 あの、ルルーシュだ。頭脳明晰・冷静沈着に見えてかなり感情の起伏が激しくシスコンのあのルルーシュだ。 友人リヴァルとしても、中身の普通の高校生としても気になる。ものすっごく気になる。 「ラブレター?」 「恥かしい写真」 「ポエム手帳!!」 「ポエム?」 俺と会長は顔を見合わせて微笑んだ。 その笑みは悪戯を思いついた子どものように純粋で残忍な笑み。 ごめんルルーシュ俺はお前の秘密が知りたい。純粋な友人としての思考回路だ。 俺じゃなくてリヴァルの行動だから許してくれルルーシュ………ぷぷぷっ。 「まっかせて、絶対ルルーシュより先に取り返して見せるから。先にっ!!」 ナナリーに向かって親指を立てる会長。 見えてなくてもなんとなく、雰囲気で分かったのだろうナナリーは微笑んでいる。 俺は会長に向かっていう。 「会長!!」 「なんだねリヴァル」 俺のおふざけオーラが伝わったのか、どこかもったえぶったように答える会長。 「対象は常に移動している生物であります。 ルルーシュより先に見つけるために、生徒全員を見方につけましょう!!」 「ふむ、分かった。 それでは、私とナナリー、ニーナは全生徒に放送をかける。 リヴァルは猫を探すための機動力であるサイドカーを持ってきてくれたまえ!!」 「イエス、マイロード!!」 ピシリ、と敬礼をしてから駆け出す俺。 目指すはサイドカーをおいている学生寮。 ふふふ、ルルーシュごめんよ。俺は反対なんだ。 でも、リヴァルの体が勝手に動いて………ぷぷぷっ。 俺がそん事を考えながら走っていると校内放送が流れ始めた。 『こちら、生徒会長のミレイ・アッシュホードです。 猫だ!!校内を逃走中の猫を捕まえないさい!! 部活は一時中断、協力したクラブは予算を優遇します。 そして、猫を捕まえた人はスーパーなラッキーチャンス!! 生徒会メンバーからキッスのプレゼントだ!!』 会長ナイスです!! その高笑いもナイスです!! 俺はサイドカーのキーを回して会長と待ち合わせをしている場所に向かった。 向かっている途中途中で、色んな人たちが猫を探している。 学校中がお祭り騒ぎだ。先生方もそれを止めるどころか傍観しているか、猫を探している。 それでいいのか、教師諸君……。 まあ、会長は学園の理事長の孫娘だし。雇用主の身内だから甘く見れてるわけなのか? それとも、会長のやることなすことがハチャメチャお祭り騒ぎだからもう諦めてるのか。 たぶん、後者なきがする。 放送しながら会長は咳き込んだ。 興奮しすぎですって。そのあと、ナナリーがニャーといって学校中がさらに盛り上がった。 この学校本当に大丈夫か? 待ち合わせ場所である先ほどまで話していた場につき会長を待つ。 会長が走りながらこちらに向かってくる、そして、華麗にサイドカーに飛び乗った。 さすが会長。 「おっまたせー」 「なぁ、俺たち生徒会が捕まえても報酬はもらえるのんだよな?」 「キスのこと?当然」 「そっか」 なるほど、ルルーシュが捕まえた場合俺が考えた学園恋愛系が発生するのでは? キスの対象が生徒会メンバーという女子過多なのもそれで頷ける。 これが物語りの力という奴か。すごい、凄すぎる。 普通の生活をしていたら、まず学校でこんな大騒ぎをするのは文化祭や体育祭ぐらいだろう。 いや、それでも賞品がキスなんてありえない。 俺はとりあえず脇役。 それならば、友人のためにルルーシュが猫を見つけるために助力をしよう。 誰が主人公か?愚問だ、コードギアスの主人公はお前だルルーシュ。 お前が主人公でアッシュホード学園で恋愛する話になれば良い。 頭良いし顔良いし生徒会の副会長なんてどこの漫画の人間だよ。そんな設定だから大丈夫だって。 いや、本当にアニメの人間なんだからそれぐらいの設定はあってしかるべきなのかもしれないが……。 だが、俺はルルーシュに協力してルルーシュの大事なポエム手帳を見せてもらって会長と笑いあうのだっ!! あのルルーシュがポエム………ぷぷぷっ。 ごめんよ、ルルーシュこれはリヴァルの行動だからね、ぷぷぷっ。 「たまには、出してみますか本気ってやつ!!」 後ろからまだまともな教師からのお叱りの声が聞こえるが、聞こえないふり〜〜。 サイドカーを走らせて猫探し開始ですにゃー。 そして、それとほぼ同時に猫を追い詰めたという報告がきたのにゃー。 クソー誰だよ。ルルーシュのハーレムを奪った奴は。 全速力でその現場に向かうと、時計のある塔の屋根を登っている枢木スザク。 おいおいおいおい、お前落ちたらどうするんだよ。落ちたらトマトのようにぐしゃりだぞ。 って、なんでルルーシュがあそこにっ!! というか、なんでスザクじゃなくてお前が落ちそうになるっ!! 周りの生徒のどよめきが聞こえる。 「ルルーシュ!!」 枢木スザクの叫び声が下まで聞こえてきた。 それとほぼ同時に、ルルーシュの腕をスザクが捕まえてルルーシュはトマトになり損ねた。 いや、主人公がここで事故死なんて事はないと思っていたがそれでも冷や汗がでた。 なんとか、持ち直したルルーシュとスザクは猫を捕まえて下に下りてくるはずだった。 なのだが、スザクが1人猫を持って降りてきただけだった。 はて、もしかして、これはスザクと友達になれるという機会なのでは? これで日本人の友達ゲットか? 1人うきうきしていた俺。 でも、周りの雰囲気は戸惑い。何に戸惑ってんだろう。とりあえず、空気を呼んで黙っている俺。 シャーリーが周りを見渡してからスザクに駆け寄った。 「ありがとう、ルルを助けてくれて」 「やるじゃん、転校生!」 俺はそれに便乗する形でスザクに駆け寄った。 そのあとに、会長も続いた。 「この猫、何か持ってたでしょ?」 「なにか、被ってたみたいですけどよく見えませんでしたし、いつの間にかなくなっちゃって」 困ったように笑いながら言うスザク。 少し戸惑っているようだ。 「ねぇ、ルルは?」 「あっ、忘れ物があるから先に行けって」 「それだ!!あいつの恥かしい秘密!!」 「会長〜、人を指差しちゃいけませんよ」 スザクを指差す会長をたしなめると、ルルーシュが降りてきた。 「そうゆうことですか、会長」 「あ〜あ、せっかく弱みを握れると思ったのに」 「ルルってかっこつけだから」 会長とシャーリーのほのぼのした雰囲気に当てられたのかスザクが微笑みルルーシュをみる。 ルルーシュもそれを当然のように受け止めている。 あれ?ルルーシュってもしかして……。 「2人って知り合いなの?」 そう、それだよカレン。 それが聞きたかったんだよ。ルルーシュとスザクはハッとしたように視線をカレンに向けた。 カレンの言葉に続けるようにニーナがいった。 「だって、イレブンと」 ニーナの言葉に皆がニーナを見た。 さっきまでの、ほのぼのした雰囲気から一転しどこか殺伐とした緊張感が漂う。 ニーナ言葉を選びなさい。君、悪い子じゃないんだけど軽率だよ、本当。 俺の友達候補枢木スザクはと惑ったように声を出した。 「いや、僕は……」 「友達だよ。 会長、こいつを生徒会にいれてやってくれないか? うちの学校は必ず、どこかのクラブに入らなくちゃならない。でも……」 ルルーシュの言葉に驚いたが、そりゃそうだ。 この雰囲気の中、スザクを受け入れるクラブはないだろう。 入れたとしても幽霊部員扱いになるだろうし。下手したらぼこ殴りとか。相手軍人だけどやる馬鹿も出てくるだろう。 その点、生徒会なら行動派のシャーリーやお祭り好きの会長にお調子者の俺が居るし、友達宣言したルルーシュも居る。 ニーナとカレンが難色を示すが、慣れればスザクの人間性も見えてくるだろう。 その上で、嫌いになるなら嫌いに、好きなるなら好きになれば良い。 「副会長の頼みじゃ、しょうがないわね」 会長の言葉は会長を知っている人間からすれば当たり前の言葉である。 また、雰囲気が戻りつつあった。 「これで一件落着ですわね。お2人ともお耳を」 ナナリーのいう通り一件落着である。 これで、スザクと友達になれる。よっし。会長本当に今日はナイスでした。素敵です会長!! ナナリーが2人の頬にキスをして生徒会も猫を捕まえた賞品を渡したことだし。 おふざけモードの声で俺は言う。 「よ〜し、猫が捕まったお祝いだ!!もちろん、新人のおごりな?」 「たかるな! 私、シャーリーよろしくね」 「俺、リヴァル」 「生徒会長のミレイ・アッシュホード」 スザクは会長を見てシャーリーをみて俺を見て嬉しそうにいった。 「よろしくお願いします」 「こき使ってやるよ新人」 俺のふざけた声に周りは笑った。 まだ、戸惑っている生徒も居るが、こうゆうのには歳月が必要である。 まあ、ひとまず、友達ゲットだぜ!! |