プリントと格闘した後、気持ちよく眠りについた俺。
次の日の朝、予定通りプリントの答えあわせをしようとするとルルーシュに驚かれた。
リヴァルがきちんと宿題をしているのが珍しかったらしいよ。
適当に、「俺だってたまにはするさ」とか言ってはぐらかしたのだがルルーシュには良い傾向だななんて言われた。
しばらく過ごしてみると、リヴァルのキャラもなんとなく分かってきた。
カレンの情報をすらすら言えたときにはリヴァルを尊敬したものだ。
さて、今日は転校生の話をしようかな。
その日は晴れ。
数日前まで、イレヴン――日本人の事――の1人がクロヴィス様――エリア11の総督だった人――を殺害疑惑があって
実はクロヴィス様を殺害したのはゼロっていう仮面をつけた奴だって話。
まあ、そんな疑惑がかかっていたイレヴンがうちのクラスに転入してきたわけ。
………軍人って職業だよな。
軍学校ぐらいでてるはず(たぶんでてるよな?)の彼がどうしてアッシュフォード学園に?
俺って前振り長いなぁ〜
「本日付けをもちまして、
このアッシュホード学園に入学することになりました枢木スザクです。よろしくお願いします」
わー!!
テレビに出てた人だっ!! 凄い凄い凄い!!
しかも、初日本人だっ!!!! 初イレヴンだっ!!!!! 初名誉ブリタニア人だっ!!!!
リヴァル生活はじまってから明らかに外国人の見かけの人しか会ってないから、茶髪でも日本人の名前と外見は癒される。
名前だけならカレンも日本人的だけど、女の子を癒しに話しかけるとカレンに気があるみたいじゃん?
これからは、スザク君と友情を育みつつ隠れてカレンで癒しを貰うか。うんうん。
話は変わるが、この世界顔不細工いないんだよねぇ。
ルルーシュなんてものすっごい美少年だし。シャーリースッゲー可愛いし。
ニーナだってミツアミと眼鏡なかったら綺麗系の可愛さっていうのかな?会長胸でかいし綺麗だし。
モブだと思われる一般人も顔整ってるからなぁ。
おっと、閑話休題。
スザク君は一番後ろの席になっていた。
俺とは結構遠いなぁ。さりげなく話しかける作戦を立ててんだけどなぁ。
休憩時間にでも話しかけるか♪
ルルーシュの席に近いしロッカーの物を取る振りしてさり気無くさり気無く。
日本人のお友達♪ お友達♪ この世界ではじめて自分で作るお友達はスザク君♪
よし、教師は居なくなった。
ロッカーに用事がある振りして後ろに行ってだ。
「リヴァル」
「なんだよシャーリー?それにニーナまで」
「いや、あのね……」
ニーナはそういいながらチラリと、比較的近くにいる枢木スザクを見た。
あ゛ーー、そういえばニーナって日本人嫌いだっけ?
記憶になんとなくあるなぁ。
そういえば、クラスの雰囲気も悪い。みんなスザクを見てヒソヒソと話している。
ブリタニア人って皇族大好きだったりするのか?
確かに、クロヴィス様も顔良かったし、シュナイゼル殿下も顔良かった。
でも、シャルル陛下ってばものすごいロールだった気がする。
皇族=政事や軍事の頂点に居る人間だもんなぁ。
社会的に地位が上の人間で顔が良かったら好きになるものなのかな?
それとも、イギリスの女王様的な存在なのかな、皇族って。
ちょっと、俺には考えられない次元の話かな?
そりゃ、現役(?)日本人としては天皇家の方々のこと知ってはいるがそれをブリタニア人の皇族の方々レベルで敬愛している現役高校生ってあんまりいないだろ。
日本が無宗教が主流だからかもしれないけどさ。それに、ブリタニア人の皇族に対する思いって畏怖に近いものがあるよな。うん。
ちょっと遠くから「まさか、テロリストじゃないわよね」とか聞こえるが、ちょっと酷くね?
彼だって軍属でブリタニアに属してブリタニアの利益になるような行動をしているはずだ。
名誉ブリタニア人だから上司に辛く当たられたりもしただろう。
それぐらい、こちらの知識が少ない俺にだって分かる。
まあ、それがテロ活動のための潜伏とか言うんだったら話は別だが、日本人としては彼を応援したい。
彼が俺にとっての初日本人だからだ。それぐらいの贔屓は見逃してくれよ。
だって、あいつ俺と同い年なのにこの数日だけでも波乱の人生だぜ。
母国の敵国だった国の軍属になって頑張ってきたんだぞ?
「イレヴンなんだよね」
「名誉ブリタニア人」
だから、ニーナの言葉に少しむっとした表情で答えてしまったのは仕方ないだろ。
ニーナとシャーリーがスザクの方をずっとみてたから表情見られないで助かったけどさ。
俺だって仲が良い2人に嫌われたくないし。
「だって、同じことでしょ?」
ちょっと、カチーンときた。
言語としては同じでも、言われる方の感覚って違うもんだろ。俺は本当は日本人って言いたいけどね。
ニーナ………ごめん。
「怖がってるだけじゃダメよ。話してみればどんな人か」
「君、行動力ありすぎ」
思わずシャーリーの腕を掴んでスザクの元に行くのを邪魔してしまった。
ジーザスっ!!あのままシャーリーの後追って話しかけたら友達になれたかもしれないのにっ!!
リヴァルに行動制限されてるよ。まただよ。行動規制はマシになってきたと思ったのになぁ。
う゛う゛ごめんよ、スザク君。ボカァ友達になりたいのに、行動規制のせいでっ。
あぁ、スザク君が教室の外に……。
話しかけたかったなぁ。何かきっかけないかなぁ。
それにしても、ルルーシュの様子ちょっとおかしかったな。
なんか、そわそわしてるような、それを隠すためにいつも以上に冷静でいようとしているような……。
生徒会の時にでも聞けばいいか。
そして、放課後生徒会室。
幾ら待てどもルルーシュは来ず………。
お前、そんなに俺が嫌いか?とか、考えながら生徒会の仕事を片付けていく。
ニーナもいなくて、今生徒会には会長にシャーリー、カレンに俺がいる。
「ルルーシュ今日は来ないのかしら?」
「サボりですよ会長!!サボタージュですよルルーシュの奴っ!!!」
会長の発言に思わず便乗して発言する俺。
微笑ましそうにシャーリーが笑う。少しぎこちないながらもカレンも笑っている。
「会長ぉ〜〜ルルーシュのサボタージュは許すまじことですよね」
「あら、そんな事言ったらリヴァルだって良くサボってじゃない」
「俺はいいんです。だって、最近はきちんとでてますし」
両手を腰に当てながらいうと、会長も笑っていた。可愛いなぁ会長。
そういえば、リヴァルは会長が好きらしい。
それも、リヴァルの知り合いなら全員リヴァルの本命はミレイ会長だって分かってるぐらい周知の事実。
少しリヴァルに引きずられて会長好きだけど、それは、まあ、うん。仕方ないだろ?
最近は落ち着いてきて普通に友達として好きぐらいに治まってきたし、会長ってなんか好きな人いるっぽいし。
良い隠れ蓑になるから会長好きってことにしておくけどね。
男の子だって女の子と同じくらい恋愛話が好きだからね。
寮での友達とかに聞かれるからその度に「俺はミレイ会長一筋だっ!!」と言ってるわけでして。
その度に、苦笑されて「恋愛関係についていえばお前は無害だなぁ」とか言われますが、なにか?
「今日は仕事はそこまでないしルルが居なくても大丈夫大丈夫」
「そんなこと言って、『ルルが居なくてシャーリー寂しい』とか思ってるんでしょ?」
「かっ、会長!!」
会長がシャーリーの声まねをしながらいう。
シャーリーは声をあげるがそれは会長を煽るだけの行為だってそろそろ気がついたほうがいいよ。
ほら、会長がにんまりと笑っている。
しばらく、会長とシャーリーの掛け合いに適当に適度に合いの手を入れながら仕事をしていく。
カレンが少し呆れたような雰囲気だが、ここは無視だ無視。
会長だし、と思えるようになったら君も本当の意味で生徒会の一員だ。
そして、その頃には本当に笑えるようになってくれればいいなぁ、なんてのが俺の願望です。
「そういえば、シャーリー達のクラスに転校生がきたんだって?」
「そうなんですよ会長!!
枢木スザク君っていうんですけどね、あのクロヴィス殿下殺害容疑がかかっていた人なんですけど
その容疑は晴れたのに、うちのクラスの人は皆スザク君に話しかけようとしないんですよ!!
それに、私が話しかけようしたらリヴァルが止めるし」
「いやいや、だってあの雰囲気の時に話しかけたらシャーリーだってどうなるかわかんなかったし。
それに、俺だってスザクに話しかけたいし友達にもなりたいと思うよ。でも、今はダメだ。
きっかけが何かないと、他の人にも彼を受け入れられる環境を作らないと彼が辛い目に合うかもしれないし」
俺が首をすぼめていうと、会長が腕を組んで唸った。
何かスザクのための事を考えてるんだろう。会長超良い人だから。
リヴァルが惚れるだけの理由がきちんとある人だからね。外見で恋しているわけじゃないのがリヴァル良いところかな。
ん?
よく考えたら、忘れかけてたけどこれってアニメの世界なんだよね。
アニメとか漫画とかってえてして、冒険とか愛とか友情とかのテーマがあって
それに向かってガムシャラに、無鉄砲に進んでいくもんだよね……。
このアニメってタイトル知らないし、どんなジャンルかもしらないけど学園ドタバタ系なのかな?
いや、それだったら普通の日本の学校とかでいいだろう。ナンバーズとか名誉ブリタニア人とかいらないだろう。
だとしたらだ、これって戦闘系だったりすわけ?
ナイトメアを使ったガンダム的な物語だったりするの?
俺ってちょっと苦学生的な普通の学生なんだけど生きていけるわけ?
そういえば、ゼロとかいう変な仮面も出てきてたし、スザクも同い年で軍属。
俺はちょっと賭けチェスとかをルルーシュと一緒にやっていたりするけど普通の学生。
いやいやいや、もしかしたらルルーシュ主人公の学園恋愛系かもしれないじゃん。
ゼロのテロ活動によって引き離されるルルーシュとナナリー。
ナナリーを助けるために、ゼロに対抗するべくスザクと手を組み
ブリタニア軍の力を借りながらも生徒会メンバーとの間で揺れるルルーシュ。
だが、ルルーシュのナナリーを救うと言う決意を知った生徒会メンバー(俺含む)は、ルルーシュと一緒にゼロに立ち向かうことを決める。
みたいな?
ナナリーを救う途中でベタな展開を送りつつ、女性人はルルーシュに惹かれていったりとか。
個人的にはシャーリーが良い子だからシャーリーがヒロインかな?それがいいな個人的に。
いや、何があっても大丈夫だ。
俺は脇役顔だし。主人公のライバルキャラにはなりえないな。うんうん。
それに、他の生徒会メンバーと比べて地味顔だし。
「リヴァル君どうしたの?」
「呼び捨てでいいよカレン」
百面相していたらしい俺に話しかけてくれたカレンって優しいな。
やっぱり癒しだ。癒し。
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